【研究室だより】日本農芸化学会2024年度大会参加・発表

2024年03月29日

 今回は3/24~27に東京農業大学世田谷キャンパスで開催されました日本農芸化学会2024年度大会に参加しまして、テストステロン分泌促進食品素材の研究成果について共同研究先と発表を行いました。初めて東京農業大を訪れたのですが、ここは日本で最も歴史のある農業系私立大学であり、そのキャンパスの佇まいも非常に重厚な印象を受けます。また農学部だけあって、キャンパスもめちゃくちゃ広いです!!(正直、都内でこれだけ広い土地だと、土地の価値も凄かろうなあ、とまず思いました)

 私たちは3/26に「カシス、アカジソ、甜茶に含まれるテストステロン分泌促進活性成分の機能解析とin vivoでの検証」という演題名で発表を行いました。内容ですが、テストステロンは男性の生体、精神、性機能の維持に重要な役割を持っており、加齢・ストレス等でテストステロンが減少しますと、Late-onset hypogonadism(LOH)症候群と呼ばれる様々な症状を引き起こします(いわゆる男性更年期障害ですね)。私たちは食品側よりLOH対策が出来るようにと、精巣ライディッヒ細胞からテストステロン分泌を促す食品素材の探索を行い、その研究成果について発表しています。その要点を箇条書きに記載します。

  • カシス、赤シソ、甜茶(甜葉懸鈎子)にはテストステロン分泌促進活性がある。
  • その主たる活性成分として、カシスはデルフィニジン-3-ルチノシド(D3R)、 赤シソはロスマリン酸(RA)、甜茶はmyo-イノシトール(MI)を同定した。
  • メカニズムとして、D3RとRAはStAR(ステロイドホルモン生合成系の律速酵素)の発現上昇、MIはテストステロンをエストラジオールへ変えるアロマターゼの発現抑制と考えられた。
  • 加齢雄性マウスにカシス・赤シソ・MI添加飼料を摂取させたところ、精巣中StARタンパク質量が増加し、血清テストステロン濃度が上昇した。

 これまで、培養細胞でこれらの食品素材がテストステロン分泌を促すことを示してきましたが、実際に経口摂取でも血中のテストステロンが増加することを示した報告です!!多くの方が関心を持ってくださったようで、会場での質問や発表後にお尋ねに来られたメーカーの方もありました。 私たちの発表のほか、共同研究先との打合せや、他所の演題を聞いて情報収集が学会参加の目的ですが、日本農芸化学会はとにかく大きい学会です。カバーする領域も広いため、発表の会場数も多く、あちこちに分散しています。聞きたい・知りたい情報は、足で稼ぐほかありません。ということで、あちこちの会場に出向いては興味ある演題を聞き,毎日1万歩以上は歩きました(そういえば農芸化学会に参加されている方は、太った人があまりいないような・・・?)

 心身共にクタクタになる3日間でしたが、会期中に大学の恩師や先輩、同級生と再会し、旧交を温めることが出来る良い機会ともなりました。

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