【研究室だより】テストステロン分泌を促す食品素材開発その1(テストステロンと男性更年期)

2019年07月11日

株式会社日本薬業大阪研究所ではテストステロン分泌を研究開発しています。ここでは何回かに分けて、テストステロン分泌を促す食品素材開発について目的や用途、研究・探索方法、学会発表など書いていきます。よろしくお願いいたします。

テストステロンとは性ホルモンの一種で、一般的に「男性ホルモン」とも呼ばれ、男性では睾丸にある精巣のライディッヒ細胞で合成され血中に分泌されます。男の子の声変わりや髭が生えるといった思春期・第二次性徴時に係るホルモン、というと分かる方も多いかも。

このテストステロンは男性生殖器の発達を促し、筋肉を太く大きくし骨格を男らしくし、脳や精神面の活力亢進に影響を及ぼすなど、たくさんの働きをもつホルモンです。しかしながら、このホルモンは20代をピークに加齢とともに徐々に減少していきます。

近年、中高年以降の男性において起こるいわゆる「男性更年期障害」については、医師の先生の専門的なお話から芸能人の自身の男性更年期の体験談など様々なメディアにも取り上げられ、「男にも更年期があるんだ」、という認知が進んでいます。これはメンズヘルス医学会を始めとする関係学会の先生方の地道な啓発活動の賜ですね。

男性更年期は加齢に伴い、テストステロン値が低下することにより生じる症候で、医学的には加齢男性性腺機能低下症(Late On-set Hypogonadism: LOH)症候群といいます。その症状は性欲の低下、抑うつ、記憶力低下、集中力低下、疲労感、ほてり、睡眠障害、筋肉量低下など多岐にわたりまして、加齢やストレス(職場でのポジションとか、家のローンとかいろいろありますよね)がテストステロン値を低下させる原因と考えられています。また、テストステロンが低下するとメタボリックシンドローム、心血管疾患、糖尿病、呼吸器疾患など様々な病気のリスクを高めて、寿命にも関係することが知られています。

これまでも40代~50代の男性でヤル気・意欲が低下したり、性欲が低下したりと感じる方は居たと思いますが、何科を受診して良いかも分からないし、「加齢・年齢による不調」と一括りにされたり、その精神症状からうつ病と考えられて抗うつ薬を処方されたりしてきたようです(ちなみに抗うつ薬はテストステロン値をより低下させます)。最近は病院の内科、泌尿器科をはじめ様々な病院で男性更年期を診るところが増えています。

男性更年期と治療法の一つにテストステロン補充療法があります。これは外部から足りなくなったテストステロンを補充するというある意味理に叶った治療法なのですが、ずっと続けると精巣自体が「自身でテストステロンを作らなくても良いのね」と判断して精巣機能の低下や精巣萎縮が生じます(廃用性萎縮といいます)。それも何となくオトコとしてせつなくて寂しい気もします(私だけかもしれませんが・・・)。

そこで、私たち日本薬業では、「テストステロンが足りない男性を元気にする」という課題に対し、「食品でテストステロンを高める」方法で課題解決を目指すべく研究を開始しました。