【研究室だより】ステロンパワーミックス®を女性が飲んでみたら?

テストステロンは「男性ホルモン」、エストロゲンは「女性ホルモン」と呼ばれるため、女性にはテストステロンがないと思われがちです。ところが実際には、女性の体内には女性ホルモンであるエストロゲンより多くテストステロンが存在します。図1では縦軸がホルモン量で横軸が年齢となり、紫色がT:テストステロンで、水色は代表的なエストロゲンであるE2:エストラジオールを示しています(Androgens: Clinical Research and Therapeutics. Volume 2.1, 2021, ページ95, Fig.1を引用)。この図を見ると、女性はどの年齢時でもテストステロンの方がエストロゲンより多いことが分かります。
テストステロンは、女性では主に卵巣・副腎で産生されます。まずテストステロンが合成されてから、アロマターゼという酵素の働きでテストステロンがエストラジオール(エストロゲン)に変換されます。つまり、テストステロンはエストロゲンを作るために、欠かすことができないものです。この点から、男性ホルモンは女性ホルモンの源とも言えるでしょう。
女性においてエストロゲンは閉経により急減します。同様に女性のテストステロンも加齢とともに徐々に減少していきます。しかしながら、先の図1の54歳以降を見ていただくと分かりますが、エストラジオールがほとんどないにも関わらず、テストステロンはまだまだあります。このため、この時期の女性のテストステロンは「閉経後に激減したエストロゲンの代わりに、女性の元気を保つ役割を果たす」もの、と考えられつつあります。閉経以降の女性の元気・活力・意欲・好奇心、健康などにテストステロンが重要と考えられているのですね。
こうした背景から、研究室ではテストステロン分泌促進剤であるステロンパワーミックス®が女性にも活用できる可能性を見るための予備的な検討を行っています。30~50代女性ボランティア(30代1名、50代4名)にステロンパワーミックス®を生理開始5日後から次の生理開始5日後まで1日200mg飲用していただき、唾液中のテストステロンとエストラジオールを測定してみました。あわせて、自己記入式アンケートとしてSMI(簡略更年期指数)も見ています。
図2にその結果を示します。ステロンパワーミックス®(図中ではSPMと略しました)飲用前と比較して、飲用後で唾液テストステロンは有意に上昇しており、エストラジオールはわずかに減少傾向でほとんど変化がありません(この結果につきましては、日本農芸化学会2026でも発表スライドに加えました)。また、面白い事に飲用後にSMI総スコアが有意に低下(改善)しています(※SMIは、「症状が強い→ スコアが高い」ですので「症状が緩和 → スコアが低下」となります)。「テストステロン値が低い女性ほど、更年期症状が強く出やすい傾向がある」、とも言われておりますので、テストステロン量と女性更年期症状の強弱については、今後もより検討してみたいところです。

わずかな人数での予備的な検討ですが、ステロンパワーミックス®が女性にも活用できる!!という手ごたえを感じています。また、今回の検討結果はより多人数での臨床試験を今後行う上で、非常に参考となりました。これらの知見を今後の臨床試験に活かし、ステロンパワーミックス®が女性に対してもお役に立てるしっかりとしたエビデンスを確立したいと考えております。
