【研究室だより】体の硬さ、朝勃ちと血管の硬さとの関係

2026年08月13日

 健康雑誌や健康番組を見ているとほぼ出てくるワードが、「動脈硬化」や「血管のしなやかさ」といった血管の硬さ、柔らかさに関するものです。William Osler博士は「人は血管とともに老いる」という有名な言葉を残されています。この言葉の解釈として、「血管の機能が衰えることは、肉体の老化を進める。生物としてこの流れを回避することは出来ないが、血管の衰えを少しでも抑えることで肉体老化の進行を抑え、若々しく齢を重ねることは可能」と考えています。先生は、現在は当たり前の概念となっていますが、血管は単に栄養や酸素を各臓器に送るパイプの役割だけでなく、心臓や肝臓などと並ぶ「臓器」として様々な機能を担っていること、を既に見通されていたんだなあ、と尊敬の念に堪えません。

 スーパー銭湯や病院待合室には従来の血圧計の他、「あなたの血管年齢測ります」というような血管年齢測定器が置いてあることがあります。血管年齢とは、血管のしなやかさ(動脈硬化の度合い)を示す指標を分かりやすく言い換えた造語です。血管年齢測定の方法としては、主にPWV(Pulse Wave Velocity, 脈波伝播速度)、FMD(Flow Mediated Dilation, 血流依存性血管拡張反応)が用いられます。PWVは動脈の硬さ(構造の変化)、FMDは動脈の機能(拡張性やしなやかさ)を診ています。※測定原理に関しては他の成書もご参考下さい。

 そういえば、ご家庭向けの血圧計や体組成計(体重の他、体脂肪量や骨格筋量を測定できます)はかなり普及しましたが、血管年齢測定計(血管のしなやかさを測る機器)について小職は見たことがありません。コストや精度で、まだ普及まで難しいのかもしれませんね。

 血管年齢は私たちの健康にとって重要な指標の一つであると考えておりますが、なかなか測る機会や機器もありません。ご家庭でも手軽に動脈硬化をはじめとする血管の老化を見れないものか?と考えていたところ、中々面白い論文を見つけましたので紹介します。

Poor trunk flexibility is associated with arterial stiffening.(「体の硬さ」と「血管の硬さ(動脈硬化)」は相関している)

Am J Physiol Heart Circ Physiol. 297, H1314–H1318, 2009

 簡単に説明しますと、身体が硬いと動脈硬化が進んでいる、という仮説を526人の成人被験者を対象に検証した論文です。結果、40〜59歳の中年者群と60〜83歳の高齢者群で、体の硬さと血管の硬さが相関していました。つまり、体の硬さで特別な機器が無いと分からない動脈硬化の予測ができるかも?という内容です。これなら、ご自宅でも簡単にできますね。こうした手軽な方法でも、ご自身の体の中で生じていることを推測し、早期受診のキッカケになるかと思います。(ただし、体が柔らかいから大丈夫、という過信は禁物です)

 小職も20代の頃は前屈で手のひらが床についていましたが、今では頑張っても指先までです。動脈硬化が進んでいるかも・・・、ということで対策法についても調べました。その結果、ジョギング・自転車などの有酸素運動のほか、より簡便なウォーキングやストレッチなどでも体を動かすことで、血管年齢が若返ることことを報告した文献が複数ありました。やっぱり適度な運動習慣は、身体の機能を保つうえで重要なんだと再認識です。

 ちなみに、動脈硬化をはじめとする血管の老化について、男性限定とはなりますが手軽に見る方法があります。それは夜間勃起(朝勃ち)の有無です。陰茎は細い血管から構成されていますので、陰茎の動脈硬化などがあると血流が低下し、夜間・早朝の勃起が減少しやすくなります。そのため、朝勃ちの消失は全身の動脈硬化の初期兆候として良く知られています。朝勃ちが減ってきた、以前より硬さがなくなったと感じてきたら、ストレッチ運動を始めたり、医療機関にご相談するのもアリかと思います。

 当社原料のステロンパワーミックス®は試験管内の検討で、PDE-5阻害活性を持つことを確認しておりますが、その検討を行うキッカケも実際に飲用された男性の方々の『朝勃ち』に対する体感からでした。ステロンパワーミックス®に配合されているカシスは、血流改善や一酸化窒素(NO)の産生を促す文献がありますし、PDE-5阻害剤は肺高血圧症にも活用されていることから、ステロンパワーミックス®は血管の健康維持にも役立つ可能性があるかも?と考えています。今後、こうした点にもフォーカスして、さらに研究を進めていきたいと考えています。

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